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90年代J-POPはなぜ歌いやすい?現代曲との“コード進行の違い”を専門的に解説

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90年代J-POPが今もカラオケで愛される理由

令和の今でも、カラオケのランキングに必ず入ってくるのが90年代J-POPの名曲たちですよね。久しぶりに歌ってみても「やっぱり歌いやすい」「メロディが頭に残る」と感じる方は多いと思います。一方で、最近のヒット曲はおしゃれだけれど音程の上下が激しかったり、リズムが細かかったりして「難しい…!」と感じてしまうことも。

実はこの「歌いやすさ」には、ちゃんと音楽的な理由があります。90年代と現代では、使われているコード進行(和音の流れ)やメロディの作り方に、はっきりとした傾向の違いがあるからです。この記事では、専門用語はできるだけかみ砕きながら、「なぜ90年代の曲は歌いやすいのか?」をコード進行の視点からわかりやすく解説していきます。

90年代J-POPの特徴と時代背景

まず、90年代J-POPの大きな特徴は「わかりやすいメロディ」と「王道のコード進行」です。テレビやCDが音楽の中心だった時代で、サビの一発で視聴者の心をつかむことがとても重視されていました。タイアップも多く、ドラマやCMで初めて聴いても、すぐに口ずさめる“キャッチーさ”が求められていた時代です。

そのため、コード進行も「王道パターン」が好まれていました。たとえば、

  • カノン進行(C→G→Am→Em→F→C→F→G など)
  • 王道進行(C→G→Am→F など)
  • 4536進行(F→G→Em→Am など)

といった、耳なじみの良い進行が多用されていました。音楽に詳しくなくても、「あ、この感じよく聴くな」という安心感のある流れです。

また、サビは音域の真ん中〜少し高めくらいに収まることが多く、極端に高すぎる音はあまり使われませんでした。これも「多くの人が歌えること」を意識した作りになっていると言えます。

90年代と現代のコード進行の違い

では、現代のヒット曲と比べるとどこが違うのでしょうか。ざっくり言うと、90年代は「シンプルで王道」、現代は「おしゃれで変化が多い」という傾向があります。

● 90年代:同じ進行を繰り返す安心感
90年代の曲は、Aメロ・Bメロ・サビでコード進行が大きく変わらず、似たパターンを繰り返すことが多いです。そのため、聴いているうちに自然と流れが身体に入ってきて、「次にどんな音が来るか」が予想しやすくなります。
この“予想できる”というのが実はかなり大きくて、歌う側からするとメロディも取りやすく、音程を外しにくくなるポイントです。

● 現代:転調やコードの色彩が複雑に
最近のJ-POPは、K-POPや洋楽の影響もあり、途中で転調したり、わざと不安定な響きのコードを使ったり、リズムを細かく刻んだりする曲が増えました。
おしゃれでカッコいいのですが、そのぶんコード進行が複雑になり、「聴いている分には良いけれど、いざ歌うと難しい」という感覚につながりやすくなっています。

● メロディの動きも違う
90年代は、音階の中を“階段をのぼるように”なめらかに進むメロディが多く、同じ音を伸ばしたり、隣の音に少しずつ移動したりする構造がメインでした。
一方、現代はジャンプするように音程が飛んだり、細かい装飾音が入ったり、ラップ的なリズムが入ることも多く、どうしても歌う難易度は上がりがちです。

なぜ90年代の曲はカラオケで歌いやすいのか

ここからは、「カラオケでの歌いやすさ」という観点で整理してみます。ポイントは大きく3つあります。

① 音域が“中高音”におさまっている
90年代のヒット曲は、サビである程度盛り上がるものの、今ほど「裏声必須!」というほどの高さではない曲が多めです。最低音から最高音までの幅(声域)がそこまで広くないため、一般的な声の高さでも無理なく歌える曲が多いのが特徴です。

② コード進行がシンプルで、メロディが予想しやすい
王道のコード進行が多いことで、「次はこういうメロディだろうな」という予想が自然と働きます。人間の耳は、予想と実際の音が近いほど“気持ちいい”と感じるので、歌っていてもストレスが少なく、「思った通りに声が出せた!」という感覚につながりやすいです。

③ リズムが複雑すぎず、歌詞が乗せやすい
90年代は打ち込みサウンドもありつつ、今ほどリズムが細分化されていませんでした。同じリズムパターンの繰り返しが多く、「タタタ・ターン」「ターン・ターン・ターン」など、身体で覚えやすい配置になっていることが多いです。
その結果、歌詞も乗せやすく、多少音程を外しても「それっぽく聞こえる」安心感があります。

逆に現代の曲は、裏拍やシンコペーション(わざとズラすリズム)が多かったり、早口で言葉が詰め込まれていたりするので、聴き専としては楽しくても、カラオケでは難易度が上がりがちというわけです。

まとめ

90年代J-POPと現代のヒット曲を比べると、「懐かしいから歌いやすい」のではなく、ちゃんと音楽的な構造の違いがあることが分かります。90年代の曲は、王道のコード進行とシンプルなメロディ、適度な音域、わかりやすいリズムのおかげで、多くの人が“気持ちよく歌える”ように設計されていました。

一方、現代の曲はコードやリズムのバリエーションが豊かになり、おしゃれで中毒性のあるサウンドが魅力ですが、そのぶんカラオケでは難しさを感じやすい面もあります。どちらが良い・悪いではなく、それぞれに良さがあるからこそ、今も90年代の名曲と最新ヒット曲が一緒に歌われているのだと思います。

次にカラオケに行ったときは、「今日は90年代の王道コードの日」「今日は最新曲にチャレンジの日」など、意識して歌い分けてみると、音楽の楽しみ方が少し広がるかもしれません。

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この記事を書いた人

80年代生まれで90年代に青春時代を過ごした芸能エンタメ好きな中の人が、芸能・スポーツ・政治など、幅広い情報をわかりやすくまとめています。

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