「最近ヒゲダン見ないね」──そんな声をSNSやテレビ視聴者の間でよく耳にします。
一方で、Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)のメディア露出はここ数年で一気に増加。
この差は単なる偶然ではなく、バンドの戦略フェーズの違いが大きく関係しています。
ヒゲダンが“最近見ない”と言われる理由
Official髭男dism(ヒゲダン)は、2019年の「Pretender」や「I LOVE…」で国民的バンドとなりました。
ただ、ここ数年はテレビ出演が少なく、「Mステ」や「SONGS」など限られた音楽番組での登場が中心です。
その背景には、以下のような要因があると考えられます。
- 制作・ライブ重視の姿勢:藤原聡さんが音楽の完成度に強くこだわり、アルバム制作やライブ表現に時間をかけている。
- 健康上の制約:2023年に声帯ポリープを発症し、一時的に活動を抑えていた。
- ブランドの安定化:すでに“国民的バンド”として地位を確立しているため、無理に露出を増やす必要がない。
つまり、ヒゲダンは“出ない”のではなく、「出るときに出る」戦略を取っているといえます。
プロモーションよりも、作品そのものやライブ体験に重きを置く成熟期のアーティストなのです。
ミセスグリーンアップルはなぜ目立つ?
一方で、ミセスグリーンアップルは2022年の再始動以降、破竹の勢いでメディア露出を拡大しています。
- 「ケセラセラ」「ナハトムジカ」などヒット曲を連発
- NHK紅白歌合戦やFNS歌謡祭、CDTVライブなど音楽番組への出演が急増
- ドラマ・映画主題歌タイアップも多数
- 全国ツアーやSNSキャンペーンを連動させる戦略的展開
まさに今は再ブランディング期=積極露出フェーズ。
「テレビで見かける頻度の多さ」が、そのまま勢いの象徴になっています。
視聴者が感じる“勢いの差”の正体
実は、ヒゲダンとミセスの「露出差」は、実力ではなく戦略フェーズの違いです。
| 項目 | Official髭男dism | Mrs. GREEN APPLE |
|---|---|---|
| 活動フェーズ | 安定・成熟期 | 第二ブレイク期 |
| テレビ露出 | 限定的(必要時のみ) | 積極的(紅白・FNS・Mステなど) |
| 活動の軸 | 制作とライブ中心 | メディア露出+拡散重視 |
| 印象 | 「久しぶりに見た」 | 「最近よく見る」「勢いすごい」 |
人は「比較」で印象を作るため、ミセスがよく出ている=ヒゲダンが静かに見える構図が生まれています。
ミセスのテレビ露出が増えるほど、「ヒゲダン最近見ないね」と感じる人が増えるのは自然な流れです。
まとめ:静と動、どちらも正しい戦略
ヒゲダンは“静”の戦略──クオリティ重視の制作型。
ミセスは“動”の戦略──大衆との再接続を狙う拡散型。
どちらもバンドとしての成長段階に合わせた正しい選択といえます。
テレビで見る頻度が減っても、ヒゲダンの音楽は止まっていません。
次に彼らが登場する瞬間は、確実に“作品勝負”のステージ。
一方のミセスは、今まさにその瞬間を世間に広げている真っ最中です。
静と動、それぞれのアプローチが今のJ-POPシーンを豊かにしています。