NANAヴィヴィアンコラボ過去断られたソースは?20年の時を経てタッグ
漫画『NANA』とヴィヴィアン・ウエストウッドが、ついに公式コラボを発表しました。
ファッションと音楽、青春を描いた名作と、パンクカルチャーの象徴的ブランド。
その2つが手を組んだというだけで話題性は抜群ですが、ファンの間では「かつて映画化のとき、ヴィヴィアンに衣装協力を断られたのでは?」という“有名な説”が再び注目されています。
今回はその噂の出どころや真偽、そして20年越しに実現した夢のコラボについて、丁寧にまとめます。
ヴィヴィアン・ウエストウッドとは?
ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)は、1970年代にイギリス・ロンドンで誕生したブランドです。
創業者ヴィヴィアンは、セックス・ピストルズなどと共に“パンクファッションの母”と呼ばれ、既成概念を壊す独創的なデザインで世界に衝撃を与えました。
クラシックなテーラリングに、反骨とユーモアを掛け合わせたスタイルは唯一無二。
ブランドの象徴「オーブ(地球+王冠)」のモチーフは、伝統と革新を融合させた哲学を象徴しています。
日本でも90年代〜2000年代にかけて圧倒的な人気を誇り、特に若い女性たちにとって“憧れのブランド”でした。
『NANA』とヴィヴィアンの深いつながり
矢沢あいさんの漫画『NANA』は、1999年に連載を開始。
夢、友情、恋、裏切り、そして音楽を軸にした青春群像劇として、連載当時から絶大な人気を集めました。
主人公・大崎ナナはパンクバンド「BLACK STONES」のボーカルで、彼女のファッションやアクセサリーにはヴィヴィアン・ウエストウッドの影響が色濃く反映されています。
作中ではヴィヴィアンのピアスや指輪、ブーツなどが何度も登場し、ナナの“反骨と孤独”を象徴するアイテムとして描かれています。
矢沢あい先生自身もヴィヴィアンのファンとして知られており、作品世界とブランドが見事に共鳴していました。
2000年代の「NANAブーム」では、ファッション誌でも「ナナ風コーデ=ヴィヴィアン系」と紹介され、日本の若者文化の象徴にもなったのです。
実写映画化のときに“衣装提供を断られた説”
2005年に映画『NANA』が公開され、中島美嘉さんと宮﨑あおいさんの共演で大ヒットしました。
その頃からファンの間で語られてきたのが、「実写映画化の際にヴィヴィアン側に衣装提供を依頼したが、断られた」という話です。
SNS(旧Twitter)では、「ヴィヴィアンに衣装協力を頼んだら“若い子には着てほしくない”と断られた」という投稿が複数見られます。
また、Yahoo!知恵袋でも「映画でヴィヴィアンの協力が得られなかったのは有名な話」というコメントが残っています。
しかし、この“断られた説”には決定的な証拠がありません。
映画の公式パンフレットやメイキング本、当時のファッション誌・映画誌を調べても、「ヴィヴィアン側が拒否した」と明記された公式資料は見つかっていません。
制作スタッフやスタイリストのインタビューでも、そのような証言は確認されていません。
したがって、現時点でこの話は「ファンの間で広まった有名な噂」「真偽不明のエピソード」という扱いが最も妥当です。
なぜ“断られた説”が広まったのか?
いくつかの要因が考えられます。
まず、映画版『NANA』でヴィヴィアンが衣装協力ブランドとしてクレジットされていなかった点。
これが「提供を断られた」という噂を生むきっかけになった可能性があります。
また、ヴィヴィアンというブランドは非常に強い美学と哲学を持つことで知られています。
作品の内容や商業的な見せ方がブランドの思想と一致しない場合、提供を見送ることは珍しくありません。
さらに、ファン心理も大きな要素です。
“ナナが愛したブランドが映画で使われなかった”という事実が、いつしか“ブランドが映画を拒否した”というドラマティックな物語として語られるようになったのでしょう。
つまり、この説は「事実」よりも「感情」から生まれたものかもしれません。
20年の時を経て、ついにコラボが実現
そして2025年。長い年月を経て、ついに両者の公式コラボが実現しました。
『NANA』25周年を記念して、ヴィヴィアン・ウエストウッドとの特別版コミックが発売されます。
第1巻・第2巻を収録したオムニバス仕様で、矢沢あいさんによる描き下ろしの“ヴィヴィアン風カバーアート”が採用されています。
発売日や販売店舗などの詳細は、こちら(Fashion Press) または WWD Japanの記事 で確認できます。
ファンの間では「20年越しの夢が叶った」「ナナとヴィヴィアンがついに出会った」と大きな反響が起きています。
噂を超えて、本物のタッグへ
“映画で断られた”という噂は、今も真偽がはっきりしません。
コラボの実現は、2022年12月にヴィヴィアン・ウエストウッドが亡くなったことが大きな要因のひとつかもしれません。
そのためブランドが利益追求に走ったのではないか、など憶測も飛び交っています。
NANAも、ヴィヴィアン・ウエストウッドも昔からのファンが多く、複雑な心境を持つ人も少なくありません。
けれども今回のコラボは、そんな過去の伝説を超えて、現実の「NANA × Vivienne Westwood」を実現させました。
ナナが憧れ続けたブランドと、矢沢あいさんが正式にタッグを組んだという事実。
それこそが、このコラボが持つ最大の意味でしょう。
“断られた”かどうかよりも、“いま共に歩き出した”こと。
この再会そのものが、ファンにとって最高のエピソードになり漫画の再開を心待ちにしている人々にとっての吉報となると良いですね。